















ペストデッキの使い方
1.基本的な使い方、戦術
《黒死病》がボードコントロールとダメージソースの中心を担うデッキになります。



Pauper環境ではフィニッシャーがタフネス2~3程度の
クリーチャーになることが多く、《黒死病》で
すべてのクリーチャーとプレイヤーにダメージを
ばらまくことは相手の行動を大きく阻害しつつ、
相手のライフを削って勝ちに つながる動きになります。
《黒死病》デッキの構成としては以下の通り。
①《黒死病》の維持に必要なクリーチャー。
高いタフネスやプロテクションで《黒死病》のダメージに耐えて、
相手の除去にも耐性を持つことが望ましいです。
例:《ギルドパクトの守護者》《ブラストダーム》
②大量の黒マナ。マナベースの時点で検討が必要になります。
③《黒死病》をフィニッシャーにするため、自分のライフを相手よりも高くする手段。
ライフゲインでもダメージソースでも可ですが、通常のデッキよりも
「ライフを高くする」ことのメリットが大きいです。
①②③が戦術に応じて入ったうえで、残りは除去やクリーチャー、
ドローソースなどの基本的なカードが入る構成です。
《黒死病》を通すための手札破壊や、《黒死病》で落としきれない
高タフネスや除去耐性を持ったクリーチャーの対策として
単体除去や布告除去をいれるのもおすすめです。

メインとなる色の組み合わせは以下が代表的です。
白黒:定番。《ギルドパクトの守護者》が非常に強力。
《コーの空漁師》とCIPのパッケージがミッドレンジ構成とかみ合い強力。
黒緑:大型クリーチャーで《黒死病》を維持する。クリーチャーの打点とライフゲイン力を重視。
黒単:最も《黒死病》のダメージが出る。ドレインもあるためライフ差はつけやすいが、
クリーチャーのタフネスが低く《黒死病》の維持が大変。

2.応用
主に白黒の構成を想定した応用編です。
・サイドボードについて
多色ミッドレンジデッキのため、サイドボードはかなり自由が効きます。
ただし《黒死病》の巻き添えを受けやすい低タフネスのクリーチャーは採用しにくいです。
(呪禁オーラ、英雄的対策の《軍旗の旗手》など)
アグロとコントロールのどちらに対策すべきかはメタをよく読む必要があります。
《ギルドパクトの守護者》は大抵のコントロールデッキには強く出られますが、アグロには若干遅いので、
メタに合わせてメインの枚数を抑えてサイドから増やす、等の枚数調整が必要です。
・除去について
除去を《黒死病》頼みにすると、アグロ相手には起動のためのライフが足りず
押し切られることが多いです。
《黒死病》は戦場の制圧とフィニッシャーとして利用し、
それ以外の除去をメイン・サイドに厚めにとるほうが上手くいきやすいです。
・統治者について
《宮殿の歩哨》《黒薔薇の棘》などの統治者になる能力持ちのクリーチャーは
《黒死病》で戦場を一掃した後でアドバンテージ差をつけるために有用です。
《ギルドパクトの守護者》や飛行クリーチャーを多めに採用し、統治者を取られたときに
取り返しやすい構成にすると良いでしょう。
・ノンクリーチャーペスト
応用デッキとして紹介します。
《黒死病》の維持を諦めるか、相手のクリーチャー次第にする戦法です。
大量の黒マナを出せるようにして全体火力のように使うコントロールデッキになります。

3.ペストデッキへの対策
ノンクリーチャーデッキは《黒死病》をあまり有効でないカードにすることが出来ます。
ある程度より速いアグロにはマナ的にもライフ的にも
《黒死病》の起動が間に合わないことが多いため、速攻も有効です。
《ギルドパクトの守護者》は非常に強い除去耐性と回避能力を持ちますが、多色や無色のクリーチャー、除去に対しては重い2/3でしかありません。
また、除去や相手自身の《黒死病》で他のクリーチャーがいなくなれば、布告除去でも対処が可能です。
親和などのアーティファクトクリーチャーは
防御策の《虹色の断片》も無効化できるので有利になるでしょう。
キーカードが重いため打ち消しも有効です。
《呪文詰まりのスプライト》は《黒死病》が出た後は打ち消しとして機能しなくなるため要注意です。

4.主要なメタデッキとの相性、戦い方
①青赤フェアリー
タフネスの低いクリーチャーが主軸であるため、有利に戦うことが出来ます。また、色的に布告などが使えないため《ギルドパクトの守護者》は場持ちが非常に良いです。
こちらの呪文は大振りのため、相手の隙を突いて通す必要があります。手札破壊やインスタントなどで相手の目論見を崩すプレイングをすれば勝ちに繋がります。統治者は相手に飛行持ちが多く逆利用されやすいので、プレイングに自信がなければサイドアウトした方が良いかもしれません。
②ストンピィ
除去耐性の低いクリーチャーを多用するため、的確に除去をして攻勢を凌ぐ必要があります。《黒死病》は出てしまえばゲームエンド級ですが、先述の通りライフを削り切られると使用不能になるため残ライフに気を配る必要があります。
タフネスが上がり、除去してもクリーチャーの残る《象の導き》に要注意です。
③ウルザトロン
こちらは中速デッキのため相性は良くないです。
フィニッシャーの《ディンローヴァの恐怖》で盤面を破壊される前に、《幽霊のゆらめき》の対象を除去やペストで迎撃できる態勢を整える必要があります。もしくは、ライフ差をつけて一気に削りきってしまいましょう。
④ボロス統治者
採用されているクリーチャーが似通っているため、《コーの空漁師》同士の睨み合いや、除去の応酬、統治者の取り合いなどになりやすいです。溜まった手札から10点以上の火力が飛んでくることもザラであるため、ライフは高く保つことを意識した方がよいです。
(筆者は《稲妻》4枚でフィニッシュされたことがあります)
⑤黒単信心
クリーチャーのタフネスは低めで、《アスフォデルの灰色商人》の信心を活かすにはクリーチャーを並べる必要があるため、有利に戦える面もありますが、ドレインによりライフ差がつけにくいのが難点です。《ギルドパクトの守護者》は頼りになりますが、布告除去を受けないようにクリーチャーを複数並べる立ち回りが必要です。
⑥神秘の指導ほかノンクリーチャー系コントロール
相手のクリーチャーが少ないもしくは居ない場合、黒死病の効果は薄くなり、維持も大変になります。アグロに比べて遅いためペースを握られやすくなります。布告除去、そしてカウンターを受けないように《ギルドパクトの守護者》を守って削りきる必要があります。
⑦呪禁オーラ
布告除去を全投入します。旗手やエンチャント除去など、白の対策カードも使うことが出来ます。基本的にはオーラを積まれる前に除去で回避し続ける必要があります。
5.サンプルレシピ
その1
メインデッキ
4:《スレイベンの検査官》
4:《コーの空漁師》
4:《孤独な宣教師》
2:《エイヴンの裂け目追い》
1:《墓所のネズミ》
2:《ギルドパクトの守護者》
2:《宮殿の歩哨》
1:《大牙の衆の忍び》
1:《見栄え損ない》
2:《悲劇的な過ち》
3:《酷評》
4:《チェイナーの布告》
2:《虹色の断片》
1:《死の重み》
1:《未達への旅》
3:《黒死病》
1:《灰のやせ地》
2:《ボジューカの沼》
1:《亡骸のぬかるみ》
4:《オルゾフの聖堂》
3:《平地》
4:《磨かれたやせ地》
2:《隔離されたステップ》
6:《沼》
サイドボード
3:《強迫》
2:《大祖始の遺産》
1:《減縮》
2:《軍旗の旗手》
1:《コーの奉納者》
1:《虹色の断片》
1:《エヴィンカーの正義》
1:《ギルドパクトの守護者》
1:《貴族階級の嘲笑》
2:《大牙の衆の忍び》
Pauper Challenge 2019-11-13で6-1のリストを引用。
白黒でクリーチャーの多いレシピ。
クリーチャー、ライフゲイン、除去、《黒死病》の要素が網羅されています。
メタや好みによってカードの選択のバリエーションが出せるデッキだと思います。
万能手札破壊《酷評》は白黒を使う上ではかなり有力なカードで、特に青系のデッキにはキーカードを通す前の露払いとして、
黒系には追放を活かしてキーカードとなるクリーチャーを再利用させずに対処することが可能です。

その2
メインデッキ
4:《ギルドパクトの守護者》
2:《見栄え損ない》
2:《強迫》
3:《酷評》
4:《チェイナーの布告》
2:《悪魔の布告》
2:《破滅の刃》
4:《夜の囁き》
3:《骨読み》
1:《エヴィンカーの正義》
4:《清純のタリスマン》
2:《死の重み》
4:《黒死病》
2:《ボジューカの沼》
2:《カビーラの交差路》
4:《オルゾフの聖堂》
1:《平地》
2:《光輝の泉》
4:《磨かれたやせ地》
8:《沼》
サイドボード
1:《強迫》
2:《断片化》
2:《虚無の呪文爆弾》
1:《酷評》
2:《黒の防御円》
1:《青の防御円》
2:《緑の防御円》
3:《赤の防御円》
1:《エヴィンカーの正義》
Pauper Challenge 2019-10-31 Pauper Leagueで5-0のリストを引用。
《ギルドパクトの守護者》のみ採用した(ほぼ)ノンクリーチャー型ペストのサンプルです。
デッキのスロットがほぼ除去と手札破壊、ドローソースに費やされており、
ライフゲインは《清純のタリスマン》で行う形になっています。
このリストはサイドボードの防御円が特徴的ですね。
